わたしの体験 私たち"たんとすまいる"では、DV経験後、長く続く心身の不調や生きづらさを「アフターDV」と呼んでいます。

自分の体験を語ることは、アフターDVを乗り越えるための大切なステップのひとつです

DV被害の経験を持つ方々に、過去を振り返ってそのときの自分の状況や気持ちを伺いました。
また、たんとすまいるのサポートプログラムの参加を通して、前に向かって踏み出された方々にその体験を語っていただきました。

わたしのDV経験

DV経験から12年、過去を振り返って 離婚して初めて自分が受けていた行為がDVだったことを知りました。

- 42歳 DV経験2年 アフターDV10年 -

誰にも言えず、夫の理不尽な暴力を受けつづていたのは2年間。一番怖かったのは首を絞められて攻撃をされた時でした。
それでも暴力を振るった後は、泣いて謝ってくるのでなかなか離婚に踏み切れず、当時は自分がDVにあっていることすら気がついていませんでした。
ようやく母に打ち明けて、離婚を決意。離婚後一番大変だったのは、子供を抱えての経済面での自立でしたが、仕事があったのでなんとか乗り切りました。
なにより夫の顔色をうかがったり、嫌な言葉や暴力から解放されたことで、大きな安心感を得ることができました。
当時のことを客観的にとらえられるようになるまでに随分時間がかかりましたが、それができたことが回復につながったと思っています。
今では、自分には必要な経験、この経験があったから今があるとさえ思えるようになり、人の痛みがわかるようになりました。子供を授かったことにも感謝しています。
今DVで悩んでいる方がいらしたら、相手の行動に耐えている日常を当たり前だと思わないでほしい。幸せになることを諦めないでほしいと言いたいですね。

DV経験から26年、過去を振り返って 偶然手にした1枚のDVカードから新しい人生が始まりました。

- 49歳 DV経験18年 アフターDV8年 -

私は結婚後18年間にわたり、夫から暴力を受け続けてきました。何度も逃げ出そうと思いましたが、車の中で殴られ逃げ出せないようにロックをかけられたり、抱いている子供を奪い取られて連れて行かれたりしたことが一番つらかったことです。
友達にも打ち明けられませんでしたが、それでも友人と一緒に楽しい時間を過ごす時だけが、不安や孤独感を忘れられる時間でした。
自分が耐えてきたことがDVだと知ったのは、公共機関のトイレに置いてあったカードを見た時。その後3ヵ月程して健康福祉センターに行き、初めて自分の状況を打ち明け、相談しました。図書館に置いてあったDVの本も読みました。
家から逃げ出し、警察にも相談し、ようやく調停によって離婚が成立した時は、自分でもよく頑張ったとほめてあげたい気持ちでした。
夫の元を離れた直後は、夫に復讐することしか考えられず、一方では子供の将来を考え、自分を責め、病気にもなってしまいました。でも今は、DVや虐待の本を読んだり、同じ経験をもつ人と友達になったり、資格を取得したことで、自分の経験を前向きにとらえ、自分や子供達が幸せになることだけを考えられるようになってきました。

たんとすまいるサポートプログラム体験

「夢を描く講座」に参加して 自分の内側から勇気が湧いてくる、そんな体験でした。

- 32歳 デートDV経験6年 アフターDV4年 -

私には明るい未来なんてない。夢や希望を持つと悲しくなるだけだから全てをあきらめるしかない、と思っていました。
でも、この講座に参加してコラージュを作っていくうちに、自分にも夢があること、未来を求める気持ちも力もあることを感じました。なんだか自分の内側から勇気がわいてくるような不思議な体験でした。

はじめは漠然とした夢でしたが、作業が進むにつれ、夢のイメージが具体的なコラージュになっていくと、「夢=自分が本当にしたかったこと」に変わり、それは「今からできること」に変わりました。
心を許せる皆さんと出会い、安心できる環境で、皆さんからたくさんの温かい気持ちを受け取りながら、自分を表現することができた喜びにとても感謝しています。
完成した夢のコラージュは部屋に飾ってあります。つらくなるとそれを見たり触ったりしています。
夢を実現するために足りないことを補おうと考えるうちに、それが行動になっていました。
夢は自分を未来に連れていってくれる力なのかもしれないと、4年経った今、感じています。

「メイクレッスン」に参加して 自分を癒し、希望を与えてくれる、それは楽しい時間でした。

- 26歳 デートDV経験4年 アフターDV2年 -

当時の私は、DVの彼と別れて2年も経っていましたが、自信も気力もなくし、全てがどうでもよくなっていました。メイクをする時も、これでいいのかいつも不安で、変だったらどうしようという気持ちでした。
それでも変わりたいと思いました。だから、不安もありましたが、受講を決めました。最初の講座の日は、髪型も眉もぼさぼさ、服装もかまわず、暗い顔で伺ったことでしょう。
でも、毎回メイクのコツや技とともに顔に対する考え方を学ぶうちに、メイクが好きになり、少しずつ自信が持てるようになり、鏡の中の自分に微笑みかけられるようになっていきました。

受講させていただいたことで一番大きな変化は、それまでメイクをするたびにマイナスのメッセージを自分に向けていたのが、プラスのメッセージの積み重ねに変わったこと。メイクのひとつひとつの過程が、自分を肯定したり、自分を大切にする作業になり、今ではメイクは自分で自分にできる素敵な楽しい時間になりました。
今私はこのメイク講座を通して自分らしさを取り戻せただけでなく、社会性ももどしつつあります。
受講して初めて心を許せる仲間にも出会い、私にとって楽に呼吸ができる場となりました。もちろん、笑顔もとっても増えました。
参加させていただき本当にありがとうございました。

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